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初心者用┃無料D&D5e『日本語版ベーシック・ルール』Lv1ウィザード・おすすめ呪文

ウィザード構築 D&D
ウィザード構築

【無料】日本語版『Basic Rules』の中から「Lv1ウィザード」におすすめの呪文を紹介します。

ベーシック・ルール(原文:Basic Rules)は以下サイトからダウンロードできます。

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Konowe
Konowe

ウィザードはシミュレーションゲームでいうと「マップ兵器」キャラクターです。
エリアや状況に対してまとめて効果を及ぼす呪文使用がメインとなります。
強力な分、ヒットポイントは低く防具もほぼ着用できず打たれ弱いので、立ち位置を考えてのプレイが必要です。ゲームに少し慣れて、盤面全体の状況に気を配れるようになってから挑戦する方が良いでしょう。
なお、この解説はいわゆるコンベンションなどでパワープレイヤーさんと同卓してもまあそれなりゲームを楽しめるかな? という実用重視の「ユニット構築」を前提にしています。もっと演技に重点を置いた気分の上がるキャラクターが好み! であれば、そのキャラクターにあったイメージの呪文を選び、自由に演じて問題ありません!

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始めに:ウィザードLv1だと呪文をどのくらい使える?

まず、初級呪文という無限回使用できる呪文を3つ持っています。
これらは1度覚えたら変更できません(追加サプリメントのルールで変更可能になります)。使いやすい呪文を選びましょう。

次に、ウィザードは1レベル時点で自分の「呪文書」に6個の呪文を記載できます。1レベル呪文リストから、覚えたい6個を抜きだして手元に記載しておきましょう。
これら呪文を使うには、大休憩毎に「準備」して「記憶」します。その個数は【知力[Int]】修正値+ウィザード・レベルです。
この記憶した中から、ウィザード・レベルに基づいて増えていく「呪文スロット」を1つ消費し、呪文を使用します。まとめると、次の通りです。

呪文書記載数:6個
記憶数   :【知力[Int]】修正値+ウィザードLv 個数
        例)【知】16→修正値+3+1で合計4つ。
使用回数  :2スロット

また、ウィザードは(儀式)と記載のある呪文については、呪文書に記載があれば「記憶」していなくても「儀式発動」を行うことができます。
(他のスペルキャスタークラスは、「記憶」にないと儀式発動できません)

まとめると次の通りです。

初級呪文:3種類
     /無限回
Lv1   :呪文書記載の6種から
     4種類(【知力】16の場合。14→3つ、12→2つ、10以下→1つ)を記憶
     /2スロット/大休憩
     呪文書記載の(儀式)発動:無限回(物質構成要素を用意できる限り)

Lv1ウィザード おすすめ呪文

ウィザードの呪文を選ぶポイントは、「使用頻度」「距離」「使いやすさ」「強度」「速度」です。ウィザードは防御力の弱さおよび「呪文の精神集中」の必要性から、どうしても1歩引いた位置にいることが多いです。一見強そうな呪文でも、距離が短くて届かないこともままあります。手慣れてくれば、敵から30ft(6マス)以内でも防御魔法に頼ることもなく平気でいられるようになりますが、初心のうちは長距離射程を中心に呪文を選ぶといいでしょう。
以下は、Basic Rulesのウィザード呪文リストのうち、Lv1のウィザードにおすすめする呪文の一覧です。Basic Rulesの場合、2レベルからサブ・クラスとして選択できる「秘術の学派」は「力術士」のみですので、その系統に合わせて選んでいます。

初級呪文:
ファイアー・ボルトショッキング・グラスプレイ・オヴ・フロスト
メイジ・ハンドダンシング・ライツ or ライトプレスティディジテイション

Lv1:
コンプリヘンド・ランゲージズ、ディテクト・マジック
マジック・ミサイル、バーニング・ハンズ、サンダーウェイヴ、スリープ

それぞれの、ポイントを記載します。

tips1. 初級呪文1つ目はファイアー・ボルト。これは決定

Basic Rulesの「力術系統[School of Evocation]」を2レベルで付けるとすれば、初級呪文1つ目はファイアー・ボルトを選択します。ダメージ1d10といえば、武器ならハルバードやグレイヴなど両手持ちの重武器クラス。遠隔武器はヘビィ・クロスボウと同等です。これを無限回に打ててレベルと共にダメージ上昇するのですから、単純に強力です。力術士なら更にダメージ上昇していきますので、20レベルまで確実にお世話になる呪文です。
なお、バトルグリッドでの戦闘の場合、自分と目標の間に味方や遮蔽物があると、目標のACや【敏】セーヴに+2~5の修正を与えることだけ注意します。ウィザードは動き回って、自身は目標を狙えるけれど、目標からは当てられない場所に陣取るように心掛けます。

他、攻撃呪文として使いやすいのは、ショッキング・グラスプレイ・オヴ・フロストです。ファイアー・ボルトは名前の通り[火]属性なので、耐性持ちに出会った場合に備えるという意味でも、違う属性の呪文を用意した方が良いです。どちらを選ぶかは、難しいところです。ショッキング・グラスプは、万一近接戦闘に持ち込まれた場合、当てれば相手のリアクションを失わせるので、緊急回避に役立ちます。対してレイ・オヴ・フロストは目標の移動力を10ft(2マス)減少させるので、そもそも近寄らせない呪文です。抵抗持ち対策として考える場合、使用頻度としてはレイ・オヴ・フロストの方が高いです。

ちなみに、もしも手元にPHBがあり、<特技>オプションを採用するならば、レイ・オヴ・フロストの用意は不要かもしれません。<特技:元素の達人>の[火]属性を選択すれば、ファイアー・ボルトの弱点である「抵抗持ちが多い」点を克服できるからです。また、<特技:呪文狙撃手>を取れば、前述した遮蔽もほぼ無視でき、射程も倍になります。

Spell詳細:ファイアー・ボルトショッキング・グラスプレイ・オヴ・フロスト

tips2. 細かいところでお役立ち、メイジ・ハンド

攻撃初級呪文を2つ選んだなら、汎用呪文は1つ選択になります。もちろん、汎用2つにしても問題ありません。
メイジ・ハンドは30ft(6マス)以内の10ポンドまでの物体を持ち上げたり動かしたりできます。品物を取って動かすだけでなく、軽いドアや窓、蓋の開閉、レバーの操作、こっそり肩を叩く、ロープの輪を木などに引っ掛ける、といった、手でできる簡単な作業は一通り可能です。操作にアクションは必要ですが、集中不要で1分使えるのも便利です。同様にプレスティディジテイションも火をつけたり、綺麗にしたり、小さな幻と口車ロールプレイで敵をだましたり、ちょっとしたアイデアを形にできる呪文です。

ダンシング・ライツライトはどちらも明かりをつける呪文ですが、ライトはいわゆる松明、ダンシング・ライツは4つの蛍のような光を空間に浮かべる呪文です。明かりを先行させて様子を伺うにはダンシング・ライツは優秀ですが、集中呪文なのが少し不便です。対して、ライトは1時間、明かり一つを集中不要で灯します。10ft(2マス)以内であれば魔法的ではない石や紙くずなどにかけて光らせることも可能で、例えばスリング・ブリットなどにかけて投げこんで闇の中を照らすといった使い方もできます。同時に1つしか点灯できないことは注意して使いましょう。時間内に掛け直した場合、後から掛けた方を優先します。

Spell詳細:メイジ・ハンドプレスティディジテイションダンシング・ライツライト

tips3. (儀式)発動を大いに活用しましょう

(儀式)発動とは、(儀式)タグの付いた呪文を規定の詠唱時間+10分の時間を使うことでスロット消費なく行使する方法です。通常は「記憶している」呪文に対して行使できますが、ウィザードだけはその呪文を記載した自分の呪文書が手元にあれば、準備・記憶なしに儀式発動を行えます。
コンプリヘンド・ランゲージズディテクト・マジックは(儀式)タグのある呪文なので、取っておくことをおすすめします。「全ての文字を読める」「魔法を感知する」と、どちらも地味な効果ですが、ダンジョンでは意外に必要となる機会は多いです。
Basic Rulesにはもう一つ、アイデンティファイという1Lvの儀式呪文があります。これは呪文発動時の構成要素に100gpの物質[Material]を含むため、キャラクター作成時には用意困難です。冒険が進んで、お金を手にできたら改めて覚えると良いでしょう。

tips4. とりあえずマジック・ミサイル。絶対命中の強み

1Lvの攻撃呪文で優秀なのは、マジック・ミサイルです。1d4+1[力場]ダメージの魔法の矢を3本、1~3体の目標に必ず打ち込みます。1体に集中すれば、期待値13.5ダメージが確定するので「もう倒せそう」な目標を仕留めるのによく利用します。
また、相手方に精神集中を伴う呪文を行使している目標が居れば、その集中を阻害する目的でもよく使います。ダメージが入れば、維持できるかどうかのチェックを振らせることができるためです。

tips5. バーニング・ハンズか、サンダー・ウェイブか

Basic Rules記載の1Lv呪文でウィザードが複数の目標にダメージを与える手段は、バーニング・ハンズサンダー・ウェイブの二つです。どちらもダメージ、エリアともに大きな差はないですが、サンダー・ウェイブは10ft(2マス)相手を押しやれるので、緊急回避にも利用できます。ただし、300ft先まで大きな音が響くため、シナリオによってはワンダリング・モンスターの出現率などが上がるでしょう。増援が来る場合もあるかもしれません。
前述した<特技:元素の達人>で[火]属性を選択しているなら、バーニング・ハンズのダメージが安定するので、おすすめです。
どちらにしてもほぼ近接状態まで近寄って打つ必要があるので、遠距離魔法を打ちながら間合いを詰める練習にはちょうど良い呪文です。

tips6. 旧版ならスリープを持っていて当たり前。第5版は?

遠い間合いで複数体を目標にできる呪文の代表に、スリープがあります。旧版においては強力な呪文でしたが……。
結論からいうと、5版のスリープは使い勝手が悪くなりました。現在HPの合計が5d8(期待値22.5)までという値が少し物足りない印象です。
とはいえ、初期に出会いやすいゴブリンやコボルドなどの小型ヒューマノイドクリーチャーはHP上限がさほど多くないので、2体くらいは寝かせることが可能です。が、3体は難しいです。そのくらいの強度です。確実な無力化は図れるので、覚えておけばクラスレベル1~3くらいまではお世話になることも多いでしょう。
また、相手のHPが減っていれば、その上限に対して効果を適用するので、HPの多い目標に使うなら、まずパーティー全員で集中してダメージを与えて、スリープで「とどめ」という使い方もあります。期待値22.5を「ダメージ」と考えれば、効果は大きいです。

tips7. 防御系呪文は持たなくていいの?

結論としては、1Lvでは覚える余裕も使う余裕もありません。2スロットしかない枠を、後方に居てダメージを受ける確率の低いウィザード自身が消費するのはもったいないです。2レベルスロットを使えるくらいになれば、シールドは用意しても良いでしょう。この頃になると精神集中の必要な呪文も増えるので、敵からマジック・ミサイルで狙われることもまま発生します。シールドはマジック・ミサイルを手軽に防ぐ方法です。もちろん、ACも+5されるので、武器攻撃も防げる可能性があります。そして3レベルスロットが使える辺りで、やっとメイジ・アーマーにも手が出るでしょう。また、このレベルになるとカウンター・スペルを狙う必要もあるので、ずっと物陰に居るわけにもいきません。ここでようやく、防御呪文の意味が出てくることになります。それまでは、魔法を打ち込んだら、敵の視界に入らないところにうまく引っ込みましょう。

tips8. PHBやサプリメントにはあれこれ便利呪文たくさん

Basic Rulesは「力術士」向きの限定的な基本魔法が収録されていますが、PHBがあればもっと選択の幅が広がります。重い荷物の持ち運びに便利なテンサーズ・フローティング・ディスク、罠があるかもしれない扉や床の確認によく使うアンシーン・サーバントは、いずれも(儀式)呪文なので、覚えておくと便利です。また、追加サプリメントが出るたびにウィザード呪文は増えています。例えばMagic: The Gatheringの世界を背景とした、『Strixhaven: A Curriculum of Chaos(ストリングスヘイブン:混沌のカリキュラム,未訳)』に加わったSilvery Barbsという呪文は、対象のD20ロールの結果に割り込んで再ロールさせ、味方1体か自分に有利を乗せる効果があります。相手のクリティカルヒットやセーヴ成功を阻害できるので、対象が1体であっても確実で強力な呪文です。

総評 力術系統ウィザードはグリッドマップバトルの練習に最適

サブ・クラスを「力術の学派」以外にも選べるようになるPHBのウィザードは、呪文の種類も多くやれることも多様な分「どうすれば有効な一手を打てるのか」が複雑なるキャラクターです。その点、Basic Rulesでは力術士向きの呪文のみが掲載されており、やれることも「まとめてダメージ」と「儀式呪文による魔法的な補助」の2点に絞られるので迷う心配はありません。まずはBasic Rulesの力術士ウィザードの動きに慣れると良いでしょう。
また、ウィザードは防御面が弱い分、自分の立ち位置と盤面の全体像の分析をする習慣がつくのでグリッドマップ戦闘の上達は早いです。バーニング・ハンズを決めるべく、後衛から前に詰めて上手に複数の敵を巻き込む立ち位置を確保してみましょう。前衛の味方に立ち位置補正をお願いして、敵をまとめる位置に誘導するなどができるようになれば、かなり手慣れてきているといえるでしょう。

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