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ゲームマーケット2023春・インディーゲーム紹介 インディーゲーム
ゲームマーケット2023春・インディーゲーム紹介

2023年5月13日・14日に東京ビッグサイトで「ゲームマーケット2023春」が開催されました。アナログゲーム専門祭典ではどんなゲームが売られているのか? ごく一部ですが、ご紹介したいと思います。

インディーゲームとは?

一般的には「同人もの」と呼ばれ、メーカー製品より低く見られがちな存在ですが、蓋を開けてみると決して侮れず、質の高さに圧倒されるのが「アナログ・インディー・ゲーム」の事実です。

indie game(インディーゲーム)とは、independent game(インディペンデント・ゲーム)の略称で小規模・少人数開発ゲームの総称です。主にはコンピュータ・ゲームを差すことが多く、ダウンロード型はプレイ機会も一般化されていますが、近年はボドゲカフェなどの普及によりアナログゲームも拡散しやすくなり、注目度は年々高まっています。
インディーゲームの特徴は、小規模・少人数開発ならではの「自由度」や「濃さ」を持った作品が多いことです。まさに「作品」らしいこだわりや、大量生産できない手作りコンポーネントを使ったゲームの味を楽しめるのが、名の通ったメーカー製品とは大きく違う点といえるでしょう。

ちなみに、ゲームマーケット2023春では、2日間で500以上のインディーゲーム出展者が並び、22000人の来場者が訪れて賑わいました。諸外国からの出展者・購入者も多く見かけましたので、今後、日本のアナログゲームが海外輸出される機会も拡大していくのではと予感させます。

Konowe
Konowe

このページではGamersFamily.jpメンバーのらぱんどらとKonoweが、ゲムマ2023春までに「面白いな!」と思って購入したインディーゲームを簡単に紹介します。通販などで購入可能(2023年5月現在)な作品はリンクも付けました。年月が経って売り切れていた場合はご容赦願います。
クレジット(奥付)部分もできるだけ詳細に記載しました。今後も出るであろう同作者の作品を追うなど、インディーゲーム購入のご参考にして頂けたら幸いです。

GamersFamily.jpが注目したインディーゲーム┃プレイヤー人数別・概要

プレイヤー人数別にアイウエオ順で紹介します。タイトルをクリックすると詳細説明に移動します。

1人用(ソロプレイ)

《Troppo-トロッポ-》
ファンタジー。カードゲーム型一人用ゲームブック。異界に迷い込んだ主人公は3つの情景をまたぎイベントをこなして先に進むが、イベントバーストするとペナルティがある仕組み。

2人用(1on1)

《天体衝突》
SF。地球人vs火星人。カード数値強度で勝ち負けを決めるが、カードが強い程に小惑星が近づいて衝突(自滅)の危険があるというジレンマがある。

《Hack-s-ticker (ハックステッカー)》
SF。ハッカーの双子が街システムのっとり合戦を繰り広げる。4つのマークに合わせて正方形を重ね置き、回転や移動、置換を駆使して最後に繋がった占有エリア数で勝敗を決める。

《ハニワと豪族あと土偶》
古代日本ファンタジー。2on2も可能。ハニワ好きの豪族を喜ばせてご褒美点を稼ぐ。縦と横に「役」があるので両方を揃えつつエリアを埋める。縦は対戦者と競るので横にこだわると点不足にも。

《HISSHI》
幾何学ゲーム。おしゃれなひし形の駒でエリアを囲み、その面積の多い人が勝者となる。駒には入れ替えや移動、回転の能力があり、それを駆使することで逆転を狙う。

2~複数人

《SAUNNER’S PRIDE (サウナーズ・プライド) ~「整い」じゃねえ、「闘い」だ!~》
2~4人。現代劇。いかに長くサウナに居られるかという「やせ我慢」を競う。状態カードを伏せて出すが「嘘」と思ったら「無理すんなよ」カードで指摘。相手を場から落とし自順位を上げる。

《色かはりゆく》
2~5人。和風。「レッド7」の和風オマージュ。版権関係で限定100個レア品。6色の色変え⇒強いカードの切り替えを駆使して脱落せずに手札を最後まで出し、「勝ち」続けたら勝者となる。

《マーブルワード》
2~5人。手作りトイ。8歳(現9歳)の女子が社長・ゲーム考案者の家族チーム作品。80個のひらがなおはじきをお題に沿って並べて文字を作る。透明だから裏向きでも可。語彙力と探索力勝負。

《全自動トリテ―Tricktaking the Automatical》
2~6人。坊主めくりトリテ。カードをシャッフルして順番を決めたらあとはめくり続けて強弱を自動判定する。運だけで勝敗決定!? ほか、普通のトリテルール、誰が勝つか当てる自動トリテなど。

3~複数人

《返本(デッド)or実売(アライブ)》
3~6人。現代劇。出版社が作った出版業界「お家事情」ゲーム。プレイヤーは出版社となり書店の要望からジャンル別の売れ筋を予測。「返本」を抱えないように「実売」トップを狙う。

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ゲームの詳細

Troppo ―トロッポ― 異世界と3つの扉

製作:BBBox
ゲームデザイン:Obaba
イラスト・DTP:Obaba
初版:ゲームマーケット2023春
価格:3000円
連絡先(Twitter): @obaba5689

対象年齢:10~118歳
プレイ人数:1人
プレイ時間:5~1200分

背景:15世紀ヨーロッパ、ファンタジー
ゲームメカニクス:
レガシーシステム、ストーリーメイキング、紙とペン、バースト

カードとコンポーネントを使用する一人用ゲームブック。イベントカードを並べられる数に制限があり、解決できないままイベントが溢れるとペナルティを負う仕組み。効率よく片づける他、違うシーンに行っている間「狭間」に置くことでバーストを避けるといったプレイヤーの機転を活かせる要素もある。
ストーリーを進めながらゲームルールを覚えられるよう、序盤はチュートリアル形式で話が記載されている。基本、冊子を読んでいけば話とゲームは進むのでルールでつまづく感はない。物語の合間に情景を表す挿絵が入っており、ゲームブックだが絵本のような柔らかさがあってプレイヤーを選ばない。
なお、ゲームの進行は記録用紙に付けるので紙とペンが必要。一気に駆け抜けるプレイをするとしても1週間、ゆっくり楽しむなら一月くらいのボリュームはあるようなので、用紙なしでのゲームは難しい。付属用紙は2枚なのでコピーして使いたいところ。

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天体衝突

製作:ボードゲームカフェ・FullHouse
ゲームデザイン:イチ
イラスト・DTP:かもめ
初版:ゲームマーケット2022秋
価格:1500円
連絡先(twitter) :@fullhouse_bgc

対象年齢:8歳以上
プレイ人数:2人
プレイ時間:5~15分

背景:SF、宇宙、戦争
ゲームメカニクス:
アブストラクト、直接攻撃、チキンレース、ブラフ、バランスゲーム、ハンドマネジメント、三すくみシステム

0から8、Xとそれぞれ書かれたカード10枚を手札とし、その数値の高さを競う勝負を繰り返して5勝をあげると勝者となる。中核のシステムは単純だが、ここに「小惑星」という要素が入ることで駆け引きが複雑化している。この要素は、自分の出した数値分「自分の惑星」に「小惑星」が近づき、衝突して自滅する可能性を演出する。つまり、大きな数値で勝つのに、小惑星が近づきすぎているから出せない、というジレンマが発生することを意味する。また、万能カードのXだが、0には一発負けするため、出しどころを間違えるとやはり自滅してしまう。少ないコンポーネントなのに複数のメカニクスが組み合わさった奥深いゲームとなっている。
初売りはゲームマーケット2022秋で、2時間で完売したほどの人気。現在(2023年5月)は再販版をメルカリ通販で購入できるようだが、これもあっという間になくなりそう?

FullHouse・メルカリ通販

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HISSHI

製作:久遠堂
ゲームデザイン:久遠
イラスト・DTP:久遠
初版:ゲームマーケット2023春
価格:1500円
連絡先(twitter): @kuondou

対象年齢:10歳以上
プレイ人数:2人
プレイ時間:20~40分

背景:ボードゲーム
ゲームメカニクス:
アブストラクト、タイル・カード配置、エリアマジョリティ

コンポーネントであるボードは布製で、コンパクトに折りたたんで収納できる。ひし形が並んでいく様はお洒落な大人の雰囲気。カップルなどがバーでカクテルを楽しみながら、ゆっくりゲームするイメージで制作された模様。
駒カードには黒エリアと赤エリアが描かれており、その色で囲んだボード上の白いエリアの面積が多い人が1本先取する。駒の色を自分有利に、相手不利になる配置を取っていくのが基本。先手後手を入れ替えて2戦行い、総合得点の高い人が勝ちとなる。
カードには「位置の入れ替え」「回転」「移動」「得点倍」などの効果をもつものが含まれている。これらを手札から選んで上手く配置することで獲得面積をコントロールする。基本はアブストラクトだが若干の引き運要素もあり、欲しいカードがその時点で手札に入っているとは限らないのがジレンマになる。自分と相手がどの特殊効果を使い、あとは何が残っているのか考えながら、最終的に獲得面積が最大となるように配置していく。
作品はBOOTH通販で購入できる(2023年5月現在)。

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ハニワと豪族あと土偶

製作:ビーランバー
ゲームデザイン:ヤスナガ アキラ
イラスト・DTP:OBOtto・ヤスナガ アキラ
初版:ゲームマーケット2023春
価格:3000円
連絡先(twitter): @Be_Lumber

対象年齢:6歳以上
プレイ人数:2~4人
プレイ時間:20~30分

背景:古代日本、ファンタジー
ゲームメカニクス:
タイル・カード配置、エリアマジョリティ、バースト、ハンドマネジメント、協力プレイ(チーム戦)

ハニワ好きの豪族のためにハニワ職人たるプレイヤーは好みの色形のハニワを彼らにプレゼントしていく。頂点まで喜ばすことができるのは、あなたか、対戦者か?
横4マス×縦3マスのエリアに強度の違うハニワを配置してその数値で「役」を作り得点を稼いでいく。点を稼ぎすぎるとカウンターが1回転して掛け率が下がるので、自分の取りたい縦エリアは最大で止めて、相手に点を取らすエリアはわざと回転させる、といったせめぎ合いを行う。
また、横4マスにも「役」があり、揃えば得点になる。縦と横それぞれの「役」を成立させるために、「相手に点を取らせる」という状況が発生する。
プレイ人数は基本は2人だが、1on2、2on2ルールも含まれている。
Kickstarterのクラウドファンディングを利用して製作が行われた作品。クラファンに申し込めた人は布製のプレイマットも付いたフルセット・バージョンもあったようで、金額に見合った豪華仕様だった。BOOTH通販では本体のみの通常版が販売されている(2023年5月現在)。直近ではボドゲガレージにも出展されるよう。
ルールブックや広告が日英2か国語対応なのも特徴。日本のゲーム普及に今後も頑張って頂きたい。

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Hack-s-ticker (ハックステッカー)

製作:ぱん屋
ゲームデザイン:Pandori3
イラスト・DTP:Pandori3
初版:ゲームマーケット2023春
価格:1500円
連絡先(twitter): @pan3enjoy

対象年齢:5歳以上
プレイ人数:2人
プレイ時間:20~30分

背景:SF
ゲームメカニクス:
タイル・カード配置、エリアマジョリティ、ハンドマネジメント

ゲームマーケット初参加作品。ハッカーの双子が喧嘩をして街ネットワークシステムののっとり合戦を繰り広げる。
正方形のカードには緑と桃色、黄色のマークが描かれている。緑と桃色はプレイヤー各自のカラー、黄色はプレイヤーの行動を阻害する「監視カメラ」を表す。最終的に自カラー(緑または桃色)が連続して置かれたエリアの多いプレイヤーが勝者となる。案外、監視カメラが邪魔になるので、これを相手のエリアの分断に使ったりもする。
カードは絵柄がぴったり重なるように配置して増やしていく。これにより自分のエリアを上書きされる可能性もあるが、置き方によって上書きできないエリアも増えていく。また、カードには「支援ボット」のイラストが描かれたものがあり、これが出ると色に対応したプレイヤーのポイントが貯まる。手札カードはランダムに配られるので、互いに相手の支援ボットを配置しなければならない時もままある。ポイントが貯まったら、「移動」「回転」などを駆使して、配置済みのエリアを操作する。これにより上書きできなかった場所もごっそり自分のエリアにできたりする。
陣取りゲームだが、引き要素もかなりあるのでアブストラクトほど詰めた雰囲気もなく手軽に遊べる。
BOOTH通販で購入可能(2023年5月現在)。

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SAUNNER’S PRIDE (サウナーズ・プライド) ~「整い」じゃねえ、「闘い」だ!~

製作:MR.&MRS. GAMES
ゲームデザイン:SURIMI
コンポーネントデザイン・DTP:SURIMI
メインビジュアル:おひるねむこ
初版:ゲームマーケット2023春
価格:2000円
連絡先(twitter): @MrandMrs_Games

対象年齢:5歳以上
プレイ人数:2人
プレイ時間:20~30分

背景:現代・サウナ
ゲームメカニクス:
ブラフ、チキンレース、ハンドマネジメント

ゲームマーケット初参加作品。「限界カード」をしれっと捨てていくブラフゲームだが、「限界」と見せかけて対戦者に「無理すんなよ」カードを出させ、実際は平気であることを示して逆に対戦者を「限界」に追い込むこともできる。
サウナでの「やせ我慢」心理にシステムを当てはめた、手軽だが思いのほか奥深いゲーム。ゲームなのに暑苦しい熱波が本当に吹いてきそう。
ゲーム性としてはサイコロの目によって手札を切る枚数を左右されるので、適度にブラフ以外のアヤが設定されている。最終的にSP(サウナーズプライド)と呼ばれる勝利点を5点先取するのが目的。サウナの「席順」があり1番の「Boss席」に上がるとポイントが入りやすくなる。「熱波師チャレンジ」を繰り返して席順を上げながらSPを得て、「Boss席」で一気に稼ぐといった方法が考えられる。
ゲームマーケット開催一ヶ月前頃から試遊会などを通して話題となり、多くの予約も獲得してイベント開催2日間とも千客万来、既に完売したようだ。
遊ぶ機会に恵まれたなら、是非一度この暑苦しさを楽しんでみて欲しい。

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マーブルワード

製作:モノビーズ
ゲームデザイン:物部さら(8歳)
イラスト・DTP:Stellation
初版:ゲームマーケット2023春
価格:2000円
連絡先(twitter): @monobees08
モノビーズ web site

対象年齢:5歳以上
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:15~20分

背景:手作りトイ、キャンディ風
ゲームメカニクス:
言葉遊び、セットコレクション、バッティング、リアルタイム

8歳(現9歳)の少女が考え、パパとママがコンポーネントの材料を用意してくれ、お兄ちゃんと同年代のクラスメイトたくさんがテストプレイヤーをやってくれる。『モモ』を描いたミヒャエル・エンデが喜びそうな、理想の「遊び」環境から生まれたゲーム。
透明なプラスチックおはじき一つ一つに手書きされたひらがな80個から、必要な文字を探して並べてワードを形成。最初に「できた宣言」をした人が10秒数え終えたらタイムアウト。ワードの長さによって点数キューブをゲットし、所定の数を集めたら勝利する。
モノビーズさんの原点は実は「ピスタワード」で、「ピスタチオの皮にワードを書いて、並べるゲーム」にしたのが始まり。マーブルワードはその制作工程から生まれた妹作品で、「し、つ、ろなどは裏から見ると別のひらがなに見える」のを活かしたゲームとなっている。
ピスタもマーブルもどちらも手作り。大手メーカーには製造できない、ゲムマならではの温かみがあり、童心に帰れる熱中度も備えた名作。

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色かはりゆく

製作:なぎとんぼラボ
ゲームデザイン:
ちゅーすけ、ぞす、れーさん、イノッチ
イラスト・DTP:ちゅーすけ
初版:ゲームマーケット2023春
価格:2000円
連絡先(twitter): @nagitombolab

対象年齢:12歳以上
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:20~40分

背景:和風、さくら
ゲームメカニクス:
セットコレクション、ハンドマネジメント、脱落

ゲームマーケット初参加作品。「レッド7」という海外翻訳ゲームの和風オマージュとして制作された。元ゲームの作者や翻訳者と交渉を行い、最終的に「100部限定で出してよい」という許可を貰い、販売に至ったとのこと。そもそものゲームの面白さだけでなくこうした経緯も反響を呼んで、4月前半に前予約枠一杯となり、5月ゲムマ当日もあっという間に売り切れた。
ルール面は、勝利条件に見合ったカードを出し続けるという点がトリックテイキングに似ている。違うのはカードを「獲得」するのではなく「出し切り」する点だろう。出せなかったら、その時点でゲームから脱落となり、負けが決定する。一度も負けなかったプレイヤーが勝者だ。
1回毎の勝利条件は、手札を使って変更できる。しかし何度も切り替えていると手札が減り過ぎてゲーム継続が難しくなる。できるだけ元々の勝利条件で「強い」状態を保てるよう多角的に考え、カードを切っていく必要がある。それでもどうしても手詰まりになった場合に役立つかもしれないのが、「さくら札」という特殊カードだ。これは「レッド7」にはない要素で、「色かはりゆく」独自の「ゲームの乱気流発生装置」とも言える。このカードを初級ルールでは各自1枚ずつ持つが、上級ルールでは山札に混ぜ込んで使う。
トリテ系全般に言えるが「勝利条件」が若干掴みにくく、遊び初めはぱっと判断が付かない場合がある。何度か回して条件を覚えてから、「さくら札」で乱気流を楽しむと良いだろう。作者が遊んで欲しい、最初に考え出したルールは上級ルールとのことなので、是非何度も遊んで「さくら札」を出しまくって欲しい。

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全自動トリテ ―Tricktaking the Automatical―

製作:Joyple Games
ゲームデザイン:deztec
イラスト・DTP:イラストAC
初版:ゲームマーケット2023春
価格:500円
連絡先(twitter): @JoypleGames

対象年齢:12歳以上
プレイ人数:2~6人
プレイ時間:5~60分

背景:ロボット、トリテ
ゲームメカニクス:
トリックテイキング

めくり続けるだけで「トリテ」勝負が成立する、「全自動」感を楽しむ作品。そうはうたいつつも普通に考えるトリテ勝負のルールも用意されている。12通りの遊び方が名刺サイズ小箱32枚のカードセット1つに詰まった、ある意味でお買い得な一品。
「ゲームシステムに悩んだらトリックテイキングで作っとく」と言われるくらい、「これで作ればまあ、売れる」遊び方だが、このゲームは「トリテを突き詰めた場合」をシステムで表現している、一つの到達点の作品と言える。実際「トリテの極北」と名乗っているくらい、極まった形だろう。
作者の言いたいことを理解しながら遊びたい場合は、説明書のほか、是非ゲームマーケット公式に掲載されている作品紹介を読みながらプレイしてみてほしい。「トリテの面白さとは何か?」を吟味しながら、一つ一つのルールを楽しむのがこのゲームの正しい遊び方だろう。インディーゲームだからできるこだわりの表し方が個人的にとても好ましい。

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返本(デッド)or実売(アライブ)

製作:ボードゲーム制作支援「ツクサポ」@三恵社ボドゲ部
ゲームデザイン:つよし
イラスト・DTP:オルクリエイション
初版:ゲームマーケット2022大阪
価格:2200円
連絡先(twitter): @sankeisha_bdgb
三恵社ボドゲ部 web site

対象年齢:8歳以上
プレイ人数:3~6人
プレイ時間:10~30分

背景:現代、出版業界
ゲームメカニクス:
バッティング、オークション、ハンドマネジメント、場札の獲得

書籍の「実売」カードをたくさん得て、得点を一番稼いだ人が勝つ。
「書店」が提示する「書籍ジャンル」の出版を企画(手札で宣言)し、「単独」か「競合」状態(バッティング)で出版。それによって取れる「アクションカード」の枚数が変わり、あてずっぽうの「出版」を余儀なくされるか「予測」したうえで「出版」を行えるかが変わる。「予測」できればマイナス要素である「返本」を回避し「実売」を得て着実に点を稼げるが、その分手数がかかるため「アクション枚数」を持っていなければ難しい。かといってあてずっぽうを繰り返すと、「返本」ばかりが貯まることも……。
駆け引き要素はプレイヤー人数で大きく変わる。5~6人プレイの場合、「書籍ジャンル」が5つとなり、明確な逆転要素も入る。「書店」が提示する組み合わせもぐっと増える。バッティングものはそもそも多人数の方が読みにくく面白くなるので、遊ぶなら5人以上を強くお勧めするゲーム。出版社濫立状態を再現して楽しみつつ、出版の大変さを味わおう。
ゲーム購入は同社公式サイト通販で可能(2023年5月現在)。

Konowe
Konowe

三恵社ボドゲ部のみなさんとお会いしたのは、2023年1月のこと。Konoweとらぱんどらがまだゲーム制作を始める前でした。メーカー製の中古ボドゲ販売が殆どの即売会で、自作ゲーム販売を頑張るブースの一つとして出展されていて、何となく目立ったのでお声がけしたのを覚えています。この時初めて、Konoweたちはインディーゲームを手にしました。
三恵社ボドゲ部さんのメインコンテンツは、実はゲームそのものではなくツクサポ。「ボドゲコンポーネントのデザイン・制作・印刷・宣伝」までを一通りサポートするというサービスだそうです。「返本or実売」はその制作例として販売されていたのでした。
1セットの試作品から注文できるとのことなので、紙厚や色味などコンポーネント全体のバランスを見ながらの制作にいいのではないでしょうか。

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ゲームマーケット開催・次回は秋(2023年・12月)

実は「ゲムマ初参加!」という作品を3つ買っていますが、いずれも出来がよく、いきなり人気作で完売しているゲームもあったりします。初だろうとなんだろうと、練れていればちゃんと素直に売れるのがこの市場のいいところだと思います。
他にも「これはいい!」と思ったけれど、主に曜日関係で買えなかった作品、「嗜好はどうしても合わないが、間違いなくゲームとしては面白いだろう」という作品など、本当は紹介したいゲームはたくさんあります。また、ゲーム本体ではないサプライも趣向を凝らしたものがあり、「少しお洒落に」「もっとリアルに」といった要望に細かく応える製品が何かしらあるのも、ゲームマーケットやアナログゲーム即売会の良いところと言えるのではないでしょうか。

ちなみに、GamersFamily.jpもこの中に混じって、2023春には2本のゲームを初めて出しました。「ゲムマ初参加」どころか「ゲーム製作そのものこれが初めて」にも関わらず、多くのボドゲ制作先輩方や購入者様によくしていただき、順調な作品頒布をさせて頂いております。本当にありがとうございます。記事の執筆含めまた秋に向けて、多くの方に楽しい時間を過ごして頂けるものを提供していきたいと思います。引き続きよろしくお願い致します。

Konowe
Konowe

ボドゲ即売会は他にも!
2023年6月10日(土):ボドゲガレージ(福生市/株式会社ポプルス社内)
2023年9月9日(土):アナログゲームフェスタ(浅草/台東区産業貿易センター)
2023年12月9日(土)~10日(日):ゲームマーケット2023秋(東京ビックサイト)
直近のボドゲガレージはブース【18】で出展します!

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