人物駒を配置して産業を回し、お金と品物で得点を稼ごう
★2015年ドイツ・ボードゲームアワード第2位受賞
人数:2~4人 時間:90分前後 対象年齢:12才~大人 発売:2014年~
メカニクス:複数人対戦、ワーカープレイスメント、デッキビルド(バッグドロー)、ハンドマネジメント、得点加算
セッティング:中世フランス/産業/地主/経営
総合面白さ :★★★★★(良好!)
ゲーム難易度:★★★★☆(難しめ。得点獲得手段は複雑)
手軽さ :★★☆☆☆(要・広げるスペースとそこそこ準備時間)
運の要素 :★★☆☆☆(少ない。デッキ構築と戦略メイン)
実プレイ時間:★★★★☆(慣れていないと90分ではとても終わらない)
ボードゲームプレイヤーなら一度は遊びたい名作。
コンポーネントは多め。A2サイズ程のメインボード1枚とA4サイズのアクションボードをプレイヤー各自の手元に置くので、そこそこ大きめテーブルは必要。
初めてプレイだと、ルール説明もそれなりにかかります。
デッキ構築と得点獲得に向けての行動戦略メインの、じっくり楽しめるゲームです。
概要
各プレイヤーは中世フランスの地主兼経営者となって、自分の地所に「人物駒」を雇い、彼らを「産業」に従事させて「品物」や「お金」を得て最終的に得点とします。ターンは全18ターンあり、1ターン毎に発生する「イベント」を乗り越え、最高得点を獲得したプレイヤーが勝利者です。
オルレアンのゲーム・メカニクス
<複数人対戦>
2~4人のプレイヤーは各自ワーカーを増やしながら産業を興し、得点を稼いで競い合います。
<デッキビルド><ハンドマネジメント>
「人物駒」が「手札」の要素を持ち、これを袋(バッグ)からドローして行動資源とします。
初期の持ち手は4枚。ターンが進むと人物駒を次々に増やせますが、ドローできる数は最大に増やせても8枚までです。アクションさせたい人物が出るように調整(ハンドマネジメント:解雇して手札を減らすか、代替能力をつけるか)する必要があります。
<ワーカープレイスメント>
特定の「人物駒」を所定の「産業」に配置しアクションさせることで、「品物やお金を得る」「新しい人物駒を雇う」「手札を拡張する」「建物を建てる」「支部(ギルド)を作る」「移動する」「文化レベルを上げる」といった結果を得られます。
「品物やお金を得る」行動が直接勝利点に繋がりますが、他の要素は達成レベルで得点倍率が変動するものもあります。どの行動に重点を置くか、ターンの進み具合や他プレイヤーが何を目指しているのかも含めて計画し、前述の「人物駒」デッキを調整して手札に入るように構成してゲームを回します。
<得点加算>
直接得点になるのは「お金」「品物」です。
条件で得点に結びつくのが「文化レベル」「支部」「達成マーク」で、これらを合計した勝利点が一番だった人が勝ちになります。
特に、このゲームは「1gp=1勝利点」なので、ひたすらお金を稼ぐことに大きな意味があります。
初期セッティング
各プレイヤー手元:
・手札となる人物駒 4枚 /ドロー枚数 4枚
・ギルドホール駒 9個
・金貨
・アクションボード 1枚
フィールド:
・「人物駒」「品物」「歯車」各ストックヤード
・達成レベルカウントマス
・文化レベルカウントマス
・イベントカード
・馬車と水路の移動経路と街
・拾える「品物」
・建物・設備カードストックヤード
・解雇した「人物駒」置き場 →金貨や文化値に変換
ゲームの遊び方・手順
全18ラウンドある中で、以下の流れを繰り返してアクションを起こし、
結果を得て、得点を稼ぎます。
- 「イベント」をめくる。このターンの最後に、何が起きるかを確認する。
- 各自「人物駒」(手札)を手持ちの袋からドローする。
- 各自「産業」の書かれた手持ちボードに「人物駒」を配置する(アクションの準備)。
- 各自の配置が終わったら、トッププレイヤーから順に1つずつ「産業」アクションをして結果を得る。
- 移動アクションを行ったら、自分の駒を隣の街へ進める(途中、品物を拾いながら)
- 「支部(ギルド)」を建てるアクションをしたら、街に「支部(ギルド)駒」を置く。(1つの街にギルドは1つしか建てられないので、早い者勝ちとなります)
- 全員のアクションが終わったら、「イベント」を解決する。
「イベント」の中で厄介なのが「徴税」と「疫病」です。
「徴税」は、フランス国王から「年貢」を要求されるので、「品物」か「お金」を納めます。
「疫病」は、「人物駒」1枚をランダムに廃棄(疫病で死亡)させられます。
tips1. 「早い者勝ち」ポイントは馬鹿にならない
殆どの産業は、繰り返し行っていくとポイントが溜まるようになっています。
最大ポイントに1番目に達すると、「達成マーク(街の人の絵が描かれたチット)」を貰えます。この「達成マーク」と「支部(ギルド)」は、別途稼ぐ必要のある「文化レベル(最大6)」と掛け算して得点になります。
手元に10枚の「達成マーク」があって、文化レベルが1なら10点。5なら50点です。品物は高いもので1つ5点になりますが、10枚集めると考えると、なかなか容易ではありません。組み合わせて稼ぐ必要があります。
tips2. 「設備・建物」をどう活用するか
ワーカープレイスメントの難しいところは、「そのアクションが直接得点になる訳ではない」行動も多く含まれているところではないでしょうか。
ゲームに慣れないうちは、どの行動が「得点」で、何が「得点を得るためのブースター」なのか、
ぱっと見ではよくわかりません。やたらと行動が進んでいるように見えても、何も得点に繋がっていないパターンもよくあることです。
オルレアンにおけるその最たるものが「設備・建物」の建設です。
直接、「生糸」や「チーズ」等、得点になる「品物」を作る工場を建てることもできますが、「ある人物駒を他の職業とみなす」とか、「ある行動をとればお金が発生」と言ったコンボタイプは、建てただけでは点になりません。
「強いと言われているから建ててみたけれど、自分のデッキだと稼働の見込みがない」なんて無駄な状況になったりもします。
tips3. 「トッププレイヤー」どの程度意味がある?
ゲームによっては「トッププレイヤーであること」ことが重要な場合もありますが、オルレアンは「意味のある時は少ないが、注意は必要」と言ったところです。
具体的には、「早い者勝ち」要素を取りたい時に、回ってくる手順次第では戦略変更が必要になる場合があります。例えば、「建物・設備」を建てたい場合。同じ効果の建物は2枚ないので、これは「手順の早い者勝ち」での獲得になります。
また、「文化レベル」の欄には複数の「達成マーク」が置かれており、これも同時に目指すプレイヤーが居た場合、トッププレイヤーである方が早くたどり着いて獲得できることになります。
しかし、基本的にはかち合う要素は少ないので、「トップじゃないから困った」と悩むことは少ないと思います。
オルレアンの総評
実は、まだ1プレイなので偉そうな事は書けませんが、
「そのアクションは得点に繋がるのか」を考えてプレイするのがミソでは、と思います。
それとは別に、どこかでやらないと行き詰るのが「人物駒を増やす」「手札枚数を増やす」です。
自分が何で得点したいかを決めてから、増やす人物駒の種類を決めないと、「この人物要らない!」という手札ばかりになります。と、言っても、初プレイで「何で得点するか」なんて、計画できませんけれどね。
とりあえず、慣れないうちは単純な「品物」を作るワークと、文明レベル上昇とギルドホール建設を目指すのがいい気がします。
まだ見ぬ勝ちパターンを探して、何度でもプレイしたくなります!