転がり落ちる資源玉を色連鎖させてごっそり獲得! 目でコンボを楽しみながら勝利点を稼ごう!
プレイヤー数:2~4人 プレイ時間:30~60分 対象年齢:8才~大人 発売:2016年~
メカニクス:セットコレクション/パズル/パターン認識/直接攻撃/得点加算
セッティング:学園ライトファンタジー
総合面白さ :★★★★☆(良好。パーティー向き)
ゲーム難易度:★★☆☆☆(易しめ。動くパズルをノリで楽しむ)
手軽さ :★★★☆☆(普通。セットは比較的簡単。箱は大きく、重い)
運の要素 :★★★☆☆(戦略で狙うよりその場任せの瞬間判断タイプ)
実プレイ時間:★★☆☆☆(短かめ。公式時間前後でほぼ終わる)
概要
プレイヤーは「秘薬作りをする魔法学校の生徒」となり、4種類の薬剤玉を効率よく獲得していち早くたくさんの秘薬(ポーション)を作り、勝利点を稼いで卒業(勝者)を目指します。
赤、青、黄、黒の4色ビー玉を専用排出器内に流し込み、ごろごろ落ちてくるのを連鎖して取るという、見た目盛り上がり度高めのゲームです。プレイ時間も短めなので、ボドゲ慣れしていない人も混じる交流会などにも向いているでしょう。
昭和な人にとっては「えい、ふぁいあ、あいすすとーむ、だいやきゅーと! ばよえー~~○!」という、あのカラフルスライム落ち物パズルを彷彿させるかもしれません。そのノリで楽しみましょう!
コンポーネントが総じてかわいい! ボドゲ慣れしていない人でもゴロゴロ玉の連鎖はやっていて楽しいはず!
ちなみに、一緒に遊んだ友人は「ばよぇ~~○っ!」を言いたくてこのゲームを買ったらしいです! 実際、とんでも連鎖すると「ば○ぇ~~ん!」と言いたくなります(笑)
ポーションエクスプロージョンのメカニクス
<セットコレクション>
4色の「薬剤玉」は、場に出ている6種のフラスコ型「ポーション」を作るための「資源」です。ポーションには4色に対応した色分けと穴があり、ここに玉を置いて、数が揃ったら「ポーションできあがり」→「勝利点および技(秘薬)1つ獲得」となります。
同じポーションでも、薬剤玉の種類が異なるパターンが用意されていて、玉数が多いほどに獲得できる勝利点は上がります。しかし、技の効果は同じなので、どの程度「高得点」のポーションを作るかも、最終的な勝敗を左右します。
また、ポーションは6種類を場に出しますが、このうち5種を集めるか、同じポーションを3つ作ると「優秀生徒バッヂ」を貰えて勝利点になります。「バッヂ」は条件を満たす度に複数回獲得できます。
<パズル>
4色の「薬剤玉」は、ごろごろと上から流れ来る専用排出器に入っており、玉を取ると次の玉が上から押し流されてきます。この時、下に残った玉と次の玉の色が同じなら「爆発!」。連鎖が発生した玉すべてを獲得できます。再び下の玉色と流れてくる玉色が同じなら、また爆発して、その玉すべて獲得します。このように、色が積み重なる限り、玉(資源)を獲得し続けることができます。
また、ポーションを作って獲得した技(ゲーム上では「出来上がったポーションを飲む」という演出)を使えば、「一定の条件を満たした横列を獲得」ということもできます。ポーションを飲むタイミングは、自分のターン内であれば任意なので、「ポーションで横列を獲得し、玉配列が変わったところで玉を取り連鎖」といったコンボも可能です。飲んだポーションは、そのまま勝利点として残ります。
<パターン認識>
専用流出器内の玉は、5レーンに分かれており、そのうち1レーンの玉を取ります。5つを見分けて、どの列が有利な数量の玉を獲得ができるのか、かつ、自分の手元のフラスコ(ポーション)を埋める資源として、その色は適正なのかを判断します。手番を待っている間に狙いをつけたレーンがあっても、そこは前の人に取られてしまうかもしれません。
毎ターン、変化するレーンに注目し、自分の技(ポーション札)とあわせて、どこを取ればいいのか、検討しながらゲームを進めます。
<直接攻撃>
ポーション(技)の中には、「対戦プレイヤーのストックヤードから玉を奪う」といった、直接攻撃が可能なものも含まれています。ポーションは8種類ゲームに用意があり、その内の6種類を使います。慣れたプレイヤー同士なら、ランダムでポーション種類を決めると楽しみが増えると思いますが、初心者やゲーム慣れしていない人が混じるなら、このタイプのポーションは抜くというのもありです。
<得点加算>
最終的に、勝利点が一番高かったプレイヤーが勝者となります。ゲームの終了条件は、「場に出ている優秀生徒バッヂがゼロになること」あるいは「場のポーションを作りつくす」です。
バッヂの数は、プレイヤー人数+2枚です。バッヂそのものも勝利点になります。
初期セッティング
各プレイヤー手元:
・作成中ポーションおよび余り材料ストックヤード 1枚
フィールド:
・初期ポーション・タブレット 6種類 ×2枚
・4色薬剤ビー玉 ↓排出器内に流す
・薬剤玉設置済み排出器 1台
・優秀生徒バッヂ プレイヤー人数+2枚
・教授の助力チット ストックヤード山
・トッププレイヤー札 1枚(トッププレイヤー決定後、その手元に移動)
ゲームの遊び方・手順
- トッププレイヤーを決定する(じゃんけんなど)
- トッププレイヤーから順に、作りたいポーションを1枚選んで手元のストックに設置する。
- ラストプレイヤーから順に、作りたいポーションを1枚選んで手元のストックに設置する。
(ラストプレイヤーは初期作成ポーションを2枚連続で選んで取るかたちになります)
各ターンの手順
- 薬剤排出器から任意の薬剤玉(資源)を1つ獲得する。
- 上から流れてきた玉と下の玉色が同じならば、「爆発」となってその玉色をすべて獲得する。
この連鎖は「爆発」状態となる限り続く。 - 獲得して手に持っている玉を、ポーションフラスコの対応色内の穴に置く。
- 置けなかった玉を手元ストックヤードに置く(3つまで)
- ストックヤードにも置ききれなかった玉は、薬剤排出器の注ぎ口に戻す。
- フラスコ内の色ごとの玉穴が全て埋まったら「ポーション完成」として裏返し、手元の勝利点ヤードにストックする。
- 手元の空白になったポーションストックヤードに、フィールドから新しいポーションを任意で取り、手元に配置する。
- 次プレイヤーに手番を回す。
option1. 教授の助力
- 各ターンの手順開始時に1度だけ使用できる。
- 勝利点-2のチットを得る代わりに、任意の玉(主に連鎖の邪魔になる玉)を1つを獲得する。
- 各ターンの手順に戻る。
option2. ポーションを飲む(技の行使)
- 作成済みポーションを「飲む」状態(タブレットを逆さにする等)にして技を行使する。
(使用済みポーションは勝利点の機能を失わないが、技は1度のみ) - ポーション毎の効果を実行する。
tips1. 玉色の連鎖が楽し過ぎて、目的を忘れがち
とにかくインパクトの強い「連鎖ビー玉」。しかし、これはあくまで「資源」です。どれほどたくさん取れても手元のフラスコ(作成中ポーション)に置けなかったら、全てフィールドの排出器に戻ってしまいます。まず、自分の作成中ポーションを見て、必要な色と数を確認しましょう。
とはいえ、ゲームが進むと「色を別の色とみなす」といった技(ポーション)を使えるようになるので、「たくさんとったもん勝ち」な部分は確かにあります。
ちなみに、ポーションはターン内であれば同時に何枚も使えます。それも含めたコンボをさく裂させ、手元のポーションを一気に2枚作り上げ、次のターンにその2枚を連続使用してまた2枚作って……。と、加速するのは爽快です。
つまり、真のウハウハ連鎖は、この「ポーション作成ラッシュ」に持ち込むことだったりします。
ポーション=勝利点ですから。
tips2. 同じポーションでも、材料の量が違うけれど?
ポーション(技)そのものは一緒でも、色と数量の組み合わせは複数あります。色数と数量の多いものほど、勝利点は高いです。当然、資源の必要総量は多くなるので、欲張ると作り終えるまでに数ターンかかるといった非効率になる可能性もあります。
ポーションは同時に2個作れます。簡単な戦略として、1個は点数高め、もう1個は低めだけれど、美味しい技ポーションを作るという手があります。
また、勝利点獲得手段として「優秀生徒バッヂ」があり、4勝利点です。貰える条件は以下の2つです。
・5種のポーションを1揃い作る
・1種のポーションを3つ作る
これら条件に達する度、場にあるバッヂ数まで何度でも貰えます。
(但し、最終ターン終了前に条件達成すれば、それは追加で貰える)
勝利点ストックをこの条件にあうよう揃えて行くのが中間目標となります。ポーションの点数が低くても、バッヂに届きそうならそちらを優先して作りましょう。
tips3. 「教授の助力」をどこまで使うか?
資源玉はランダムに落ちるので、「どうにも連鎖できない状態」や「この1個が無ければ連鎖なのに」というジレンマが発生します。そこで「教授の助力」を使います。これで取った玉も手元資源になります。勝利点に-2ペナルティが発生しますが、この手順でポーションを作りきれるのであれば、チャレンジすべきでしょう。
ただ、-2も塵も積もれば山となります。2個で「優秀バッヂ」と打ち消し合うと考えると、「使わないでも揃えられないか?」という検討は必要かもしれません。
とはいえ、案外、勢いで-2して取り続けても、その分をポーション量で補えば、意外に高得点になったりもします。
ポーションエクスプロージョンの総評
ギミック型はプレイヤーの器用さを要求するゲームも多いですが、ポーションエクスプロージョンはその点、ギミック=演出です。お子さんとプレイしても、出来なくて怒り出したりはしない安心感があります。
真剣に勝ち負けを悩むより、動的なコンポーネントの動きに一喜一憂しながらの盛り上がりを楽しむという点では、パーティー向きとも言えます。一方で戦略性もあるので、ボードゲーム慣れしたプレイヤーでも満足できるでしょう。
幅広い層をカバーでき、コンポーネントがとにかく凝っているので、テーブルトップゲームらしいゲームと言えそうです。
拡張キットも複数出ています。ポーションの種類が増えて、技を使った戦略パターンが増えたり、オールマイティな資源玉が入って、4色より大爆発が増えたり、盛り上がる演出満載です!